分散型取引所セラム(SerumDEX)の使い方ガイド|solanaウォレット作成から取引方法までまとめて解説


セラム(SerumDEX)でできること
セラム(SerumDEX)でできることは板取引のみです(2021年7月時点)。セラムはDEXとしては珍しいオーダーブックを採用しており、指値注文を出すことができます。
執筆時時点では流動性マイニングやレンディングのようなサービスはありません。
セラム(SerumDEX)を始めるために必要なもの
必要なもの
- FTXの口座
- solanaの独自規格トークン
- solanaチェーン対応ウォレット
セラムを始めるための準備はやや面倒です。
セラム(Serum)はsolanaチェーン上に構築されているDEXですので、solanaの独自規格トークン(SPLトークン)を保有する必要があります。
SPLトークンにはSOL(ソラナ)・RAY(レイディウム)・SRM(セラム)や、SPL規格版のBTCやETHなどが該当します。
SPLトークンは海外取引所FTXで入手します。FTXの口座開設はメールアドレスとパスワードのみで完了します。またFTXに送金する際は、BTCやETH(ERC-20トークン)で入金が可能ですので試してみてください。
セラム(SerumDEX)の始め方
セラムを使うまでの流れ
- FTXに資金を送金する
- FTXでSPL規格トークンを購入する
- SPL規格トークンを専用ウォレットに入金する
- セラム利用開始!
必要なもの
- FTXの口座
- solanaの独自規格トークン
- solanaチェーン対応ウォレット
STEP1:FTXに資金を送金する
今回はイーサリアム(ETH)をFTXに入金すると仮定して進めていきます。



FTXに口座を開設できたら、メニュー画面から「Wallet」を開いてください。



すると通貨の一覧が表示されます。
今回はETHを入金するので、ETH欄の右側にある「DEPOSIT(入金)」をクリックしてください。



おそらく入金用アドレスが二つ表示されていると思います。
下のアドレスはSPL規格(solana独自の規格)でラップされたトークンのものなので、上のアドレスを使うようにしてください。
これを送金元に入力して送金しましょう。
STEP2:FTXでUSDTとSRMを入手する
2-1:USDTはトレード用に、SRMは手数料割引を受けるために保有する
無事に入金できたら、次はUSDTとSRMを入手していきます。
USDTは取引の際に使うのはもちろんですが、価格変動リスクをなるべく抑える狙いもあり保有しておきます。セラムはまだ流動性がそこまで多くなく、万が一のときにコインをすぐに手放せない可能性があるので、頻繁にトレードすることは現実的ではありません。
またセラムでは主にUSDT建とUSDC建の取引ペアしかありません。FTXにはUSDCが上場していないため、必然的にUSDTを用意する流れになります。
Taker | Maker | SRM保有量 | |
---|---|---|---|
0 | 0.22% | -0.03% | なし |
1 | 0.20% | -0.03% | ≥100SRM |
2 | 0.18% | -0.03% | ≥1000SRM |
3 | 0.16% | -0.03% | ≥10000SRM |
4 | 0.14% | -0.03% | ≥100000SRM |
5 | 0.12% | -0.03% | ≥1000000SRM |
6 | 0.10% | -0.03% | ≥1MSRM |
セラムでは独自トークンであるSRMの保有者が受けられる恩恵が大きいです。ある程度SRMは保有しておくのが良いでしょう。
SRMを保有者はセラム上で取引手数料の割引を受けることができます。
2-2:USDTとSRMを用意する流れ



Wallet画面のETH欄の右側に「CONVERT」という項目があるので、こちらをクリックしてください。



ここでETHをUSDTとSRMに変換していきます。
コンバート機能は手数料がかからないためとても便利です。
USDTとSRMの購入までできたら一旦FTXでの操作は終わりです。次はウォレットを用意していきます。
STEP3:FTXからsolana対応のウォレットへ資金を移動する
3-1:専用ウォレット「phantom」をインストールする



今回はphantom(ファントム)というウォレットを使っていきます。
phantomはsolana版メタマスクのようなイメージのWebウォレットです。ブラウザ拡張機能として利用します。



phantom公式サイトにアクセスしたら「Add to Chrome」からインストールしてください。



無事にインストールできるとChrome画面右上にphantomのアイコンが表示されます。
アイコンをクリックして初期設定を行ってください。
初期設定でやることはseed phraseフレーズのメモと、パスワードの設定だけです。
3-2:phantomに資金を移動させる
初期設定ができたら、先ほど入手したUSDTとSRMをphantomに移動させます。



phantomのアイコンをクリックするとこのような表示がでますので、上部(黄色枠部分)をクリックして入金用アドレスをコピーしてください。



次にFTXのWalletページを開き、USDT・SRMの欄にある「WITHDRAW(出金)」をクリック選択します。



するとこのような画面になります。
送金する数量を入力し、先ほどコピーしたphantomのアドレスをペーストしてください。USDTとSRM、どちらも同じアドレスで問題ありません。
最後に二段階認証を済ませたら「WITHDRAW」をクリックして出金します。



着金するとこのように表示されます。
着金には数分程度かかると思われるので、それまでは待機です。
STEP3:Solletとセラムを接続する
phantomに入金できたら、いよいよセラム(Serum)を触っていきます。
下のオレンジボタンからセラムにアクセスしてください。



こちらがセラムの取引画面です。
まずは画面右上の「Connect」をクリックしてphantomを接続します。



もう一度「Connect」をクリックします。



画面右上の「•••」をクリックして自分のphantomアドレスが表示されていれば接続完了です。
セラム(SerumDEX)板取引のやり方
セラムは分散型取引所(DEX)でありながら中央集権取引所(CEX)と同じオーダーブックを採用しています。
そのためセラムでの取引方法はCEXとほとんど同じです。
STEP1:取引する銘柄を選ぶ



画面左上にある検索窓から銘柄を選択できます。
執筆時(2021年7月末)時点では約70種類ほどの現物銘柄しか取り扱われていません。
STEP2:実際に注文を出す



従来の取引所と同じ要領で入力していきます。
POSTにチェックを入れると必ず指値注文で約定されるようになります。IOCにチェックを入れると、指定した価格かそれよりも有利な価格で即座に約定され、約定しなかった数量分はキャンセルされるようになります。
入力できたら「Buy 〇〇」をクリックして注文を出しましょう。



注文が出されると画面下の「Open Orders」に注文が表示され、約定すると「Balances」内の残高が変化します。
ウォレット残高を移動させるやり方
実は今購入したトークンはまだphantomウォレットには入っておらず、セラム内に留まっている状態になっています。
出金したり、別のDEXでの取引に使いたい場合には、phantomに残高を移動させる操作をしなければなりません。



取引画面下のメニュー内にある「Balances」を見てみてください。「Unsettled」欄の数字がまだウォレットに入っていないコインです。
右側の「Settle」をクリックするとウォレットに残高を移動させることができます。
セラム(SerumDEX)の使い方 まとめ
以上が、分散型取引所セラム(SerumDEX)の使い方の解説でした。
セラムは今はまだ主要な現物銘柄しかなく、流動性も多くありません。しかし今後は様々な合成資産の取り扱いや、流動性の拡大が予想されるため、まだ発展途上のDEXだといえます。
新たな機能が実装され次第、本記事でも内容を加筆していきますので、ぜひブックマークしてご活用いただけると幸いです。